高杉良さんの傑作、「小説日本興業銀行」の続編とのいえる小説。興銀・第一勧銀・富士銀行の3つの銀行の統合を描いている。
「小説日本興業銀行」では、実名小説でありながら主人公の中山素平氏のキャラクターが良く、感情移入出来た。しかし、「銀行大統合 小説みずほFG」に登場する実在の人物に中々感情移入が出来ない。高杉さんは弁護しているが、統合時のシステムトラブルなどはあまりにも杜撰だった。これは、当時のトップ3人に責任がある。部下からの情報があがってこないのは言い訳にはならないね。この当時、報道でシステムトラブルの事故を知り、「優秀な人たちがなんてレベルの低いことを」と思った記憶がある。
その各銀行3人のトップが主人公なので、読んでいてもワクワクしない。実名小説は、勝手に魅力的なキャラクターを作るわけにもいかないから、難しいね。