敵方も含めて、丁寧に登場人物を描いている。そのため、作品に感情移入がしやすく面白い。今回は、白勝の「志など知らない、友のためなら死ねる」という会話がキタ。
俺は、こういう最後は論理や理屈を越えるというエピソードに弱い。でも、実際には論理的思考や理屈(屁理屈だけど)の方が好きなんだけど。
このシリーズは、北方さんのオリジナル要素が強いという批判があるようだけど、俺は面白い小説を読みたいのであって、原典と違っても一向に構わない。
原典に拘ってつまらない小説を読まされるより、はるかに良い。でも、入り口は小説や漫画でも、好きになって歴史が好きになる人も多いだろう。俺もその一人だけど。小学生の時、歴史漫画と楠正成の小説を読んで、歴史が好きになった。