ストーリー的には面白いし、良い小説だった。「ナポレオンの光と影の部分」と「フランス革命後のフランスの事情」も興味深かったし。
残念だった点は、上巻と比べて戦争場面が多いのであるが、物語を説明するために書いているような感じ。上巻の戦争場面に比べて雑と感じた。ただ、最後のナポレオンの戦争場面は生き生きとしており、登場人物達に感情移入が出来た。主人公がナポレオンの従軍記者として、戦場にいたということが良かったのだろう。
やはり、戦争場面を描くのは難しいんだろう。主人公が戦争の当事者で一人称で表現すれば、分かりやすいし、感情移入もしやすいのであろうが。
下巻は現在進行形の戦争場面と、過去の戦争場面が交互に出てくるので、分かりずらかった。時系列が違う内容が細切れのように出てきて、混乱するので過去の戦争場面は端折ってしまった。
皇帝ナポレオン 下/藤本ひとみ
投稿日:2005年7月15日 更新日:
執筆者:kirisen